環境
Dell Precision Tower 7910
Windows 10 Pro(64bit)
Xeon E5-2640v4(2.4GHz) x2
NVIDIA Quadro K420
メモリ 64GB
500GB HDD + 1TB HDD
今回パススルーしたいデバイスはQuadro K420です。
またこのマシンにはESX6.7.0 Update 3 (Build 14320388)が導入されています。
ホストマシンのBIOSからの設定
やるべきことは以下の4つ。
- PCIeグラフィックカードの有効化
- 内蔵グラフィックの無効化
- オンボードオーディオの無効化
- 仮想化系の有効化
以下はDell Precision Tower 7910での設定方法を記載している。他メーカーのBIOSだと項目名が若干異なる可能性があるがすることは同じ。
Settings > System Configuration > Audio
のEnableチェックを外してDisableにするSettings > Video>Primary Video Slot
からPCIeに接続しているグラフィックボードを選択Settings > Virtualization Support > Virtualization
をEnableにするSettings > Virtualization Support > VT for Direct I/O
をEnableにする
ESXiのWebUIからの設定
ホストの設定
ナビゲータ > ホスト> 管理 > ハードウェア > PCIデバイス
からパススルーしたいグラボにチェックを入れる。このときにAudio Controllerにもチェックが入ってしまうが問題ない。
チェックを入れたら、パススルーの切り替えボタンを押す。このあとESXi自体を再起動する必要がある。仮想マシンは停止してESXiを再起動し、再度WebUIからログインする。
再起動すると先ほど選択したデバイスのパススルーの項目が無効からアクティブに変わっている。
認識させたい仮想マシンの設定
認識させたい仮想マシンの設定をする。今回は事前にインストール済みのWindows10proが入った仮想マシンにパススルーさせる。
パススルーデバイスの選択
仮想マシンの設定の編集 > 仮想ハードウェア > その他デバイスの追加 > PCIデバイス
をクリックし、先程パススルーさせたグラフィックボードを選択する。
割り当てメモリの予約
PCIデバイスを仮想マシンにパススルーしたときには、割り当てたメモリを全て予約しなければ起動することができない。設定の編集 > 仮想ハードウェア > メモリ
の全てのゲストメモリを予約(すべてロック)
にチェックを入れる。
パラメーター設定
NVIDIAのGPUのドライバーでは、仮想マシンであることを検知するとドライバが動作を停止してしまうことがある。そのため、パラメーターを設定して、対処が必要。設定の編集 > 仮想マシンオプション > 詳細 > 構成パラメータ
からパラメータを追加をクリックし、「”hypervisor.cpuid.v0″ : “FALSE”」を追加する。
設定を保存して、仮想マシンを起動する。
注意
このときはグラフィックボードに映像ケーブルを接続しないようにしましょう。接続してしまうとパススルーされてるのでそのケーブルから映像が出力されてモニターに表示されるので、ESXiのWebUIから映像を確認することができません。これのせいで、仮想マシン起動してるのに画面真っ暗やんけ!とn時間つまりました(n敗)
仮想マシンからの設定
仮想マシンにドライバをインストール
NVIDIAのサイトからグラフィックボードにあう、ドライバを検索しダウンロードする。
このあたりは仮想マシンであることは意識せず、自作PCと同様のことをすれば問題ない。
ドライバ停止対策
このままWindowsを再起動すると、次に起動したときにグラフィックボードのドライバが停止してしまいややこしいことになる(n敗)
シャットダウンや再起動前にデバイスマネージャーからドライバを無効化し、起動後にデバイスマネージャーから有効化することで回避できるが、毎度手動で無効化有効化をするのはめんどくさいし、絶対に忘れるのでスクリプトを登録する。まずWindows Driver Kitに含まれているdevcon.exeを導入する。導入方法はこちらの記事に載せている。
スタートアップ時に有効化するスクリプト
devcon enable "PCI\VEN_10DE&DEV_0FF3"
シャットダウン時に無効化するスクリプト
devcon disable "PCI\VEN_10DE&DEV_0FF3"
これらのスクリプトをそれぞれ任意の名前のbatファイルとして保存し、それぞれ
C:\Windows\System32\GroupPolicy\Machine\Scripts\Startup
C:\Windows\System32\GroupPolicy\Machine\Scripts\Shutdown
に格納する。
引数のデバイスインスタンスパスはグラフィックボードの種類ごとに異なる。この例はQuadro K420のもので、デバイスマネージャーのプロパティ > 詳細 > デバイスインスタンスパス
の値から確認できるので、各自の環境に合わせたパスを設定する。
コントロールパネルからローカルグループポリシーエディタを開き、スタートアップ、シャットダウン時に実行されるスクリプトとして登録します。
これで一度シャットダウンしてから起動しても正常にグラフィックボードが認識されるようになります。
参考文献
VMware ESXi 7.0 での GPU パススルー設定手順 – setodaNote
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